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コラム

横浜の日本政策金融公庫で融資を借りるには?制度や申請のポイントを紹介

横浜は、人口約370万人を有する日本で最大級の都市であるとともに、全国の中でもとくに創業が活発な地域となっています。そのため、横浜にお住いの方の中には「創業資金のための融資を受けたい!」、「事業資金の借入れをしたい。」という方も多いと思います。

このような方におすすめなのが日本政策金融公庫の融資です。

日本政策金融公庫では、創業者や中小企業向けに数多くの融資を扱っており、そのほとんどが無担保無保証で利用できます。

この記事では、横浜の方が事業で使える、日本政策金融公庫の融資について解説させていただきます。

日本政策金融公庫横浜支店の場所とアクセス方法

日本政策金融公庫横浜支店の場所とアクセス方法は、以下の通りとなります。

横浜の日本政策金融公庫の支店場所

横浜市内には日本政策金融公庫の支店が2つあり、借入人の事業所の場所によって担当となる支店が決まっています。事務所から近いからといって担当支店になるとは限らないため、相談や融資申込の際には、管轄の支店を確認したうえでご利用ください。

〇横浜支店

所在地〒231-8831
神奈川県横浜市中区南仲通2-21-2
営業時間9:00~17:00
連絡先<国民生活事業> 1F 0570-039574
<農林水産事業> 3F 045-641-1841
<中小企業事業> 4F 045-682-1061
業務区域<国民生活事業>
横浜市中区/横浜市南区/横浜市磯子区/横浜市金沢区/横浜市港南区/横須賀市/鎌倉市/藤沢市/茅ヶ崎市/逗子市/三浦市/葉山町
<農林水産事業>
横浜市/川崎市/横須賀市/鎌倉市/藤沢市/茅ヶ崎市/逗子市/三浦市/三浦郡
<中小企業事業>
神奈川県全域
その他駐車場あり。ただし、台数に限りがあります。

〇横浜西口支店

所在地〒220-0004
神奈川県横浜市西区北幸1-11-7 日本生命ビル

営業時間9:00~17:00
連絡先<国民生活事業> 3F 0570-041137
業務区域<国民生活事業>
横浜市神奈川区/横浜市西区/横浜市保土ケ谷区/横浜市港北区/横浜市戸塚区/横浜市旭区/横浜市緑区/横浜市瀬谷区/横浜市栄区/横浜市泉区/横浜市青葉区/横浜市都筑区
その他駐車場なし

アクセス方法

〇横浜支店

・日本大通り(横浜高速鉄道みなとみらい線)254m

・関内(横浜市営地下鉄ブルーライン)414m

・馬車道(横浜高速鉄道みなとみらい線)431m

・関内(JR)511m

・桜木町(横浜市営地下鉄ブルーライン)849m

〇横浜西口支店

・横浜(横浜市営地下鉄ブルーライン)212m

・横浜(JR)356m

・横浜(京急本線)356m

・横浜(東急東横線)356m

・横浜(横浜高速鉄道みなとみらい線)356m

日本政策金融公庫の特徴と融資のメリットについて

日本政策金融公庫の特徴

日本政策金融公庫は、民間金融機関の補完を目的として、創業者や中小企業の資金調達の支援を行っている政府系金融機関です。

日本政策金融公庫の業務は

・国内金融業務-国民生活事業、農林水産事業、中小企業事業

・危機対応円滑化業務-内外の金融秩序の混乱、大規模な災害、テロリズム若しくは感染症等による被害に対処するために必要な金融の機能

に分かれており、個人企業や小規模企業向けの小口融資については国民生活事業が、中小企業向けの長期事業融資については、中小企業事業がそれぞれ対応しています。

融資先数は119万先(創業企業への融資実績は年間2万6,000先)にのぼり、1先あたりの平均融資残高は980万円、融資先の約9割が従業者9人以下の小規模事業者と小口融資が主体となります。

日本政策金融公庫の融資のメリット

日本政策金融公庫を利用するメリットとしては、次のようなものがあります。

・創業者や個人事業主など信用力の低い方でも、簡単に利用できる

・優遇された金利や条件で、長期間の融資が利用できる

・無担保無保証での借入れができる

・はじめての方でも大きな額の融資を利用できる

・民間金融期間で断られていても借りられる

・事業に関する相談もできる

<創業者や個人事業主などの信用力の低い方でも、簡単に利用できる>

通常の金融機関では、創業者のような実績のない方に対しては、担保や信用保証協会の保証等がある場合を除き、原則、融資を行っていません。しかし、日本政策金融公庫では、創業者や個人事業主などの信用力の低い方でも、簡単に利用できます。

<優遇された金利や条件で、長期間の融資が利用できる>

日本政策金融公庫は政府系の金融機関のため、利益を目的とした民間の金融機関よりも借りやすいといえます。また、金利も民間金融機関よりも低く抑えられており、返済期間も長いため、借り入れ後の後の負担も少なくて済みます。

<無担保無保証での借入れができる>

公庫の融資では、一定の条件を満たす場合には、無担保無保証で借入れをすることができます。とくに、創業者向けの新創業融資制度を利用した場合には、法人代表者の連帯保証も不要となります。

<はじめての方でも大きな額の融資を利用できる>

公庫では、はじめて利用する方であっても、大きな額の借入れをすることが可能です。

創業者については最大3,000万円まで(新創業融資制度利用の場合)、通常の事業者については最大4,800万円(担保を不要とする融資制度利用の場合)まで、無担保無保証で利用できます。

<民間金融期間で断られていても借りられる>

日本政策金融公庫と民間の金融機関はまったく別の組織となります。そのため、民間の金融機関公庫で融資を断られた場合でも、問題なく公庫の融資を利用することができます。ただし、申込人について信用情報に問題がある、税金等の未納があるなどの事情がある場合には、日本政策金融公庫でも借入れが難しくなります。

<事業の相談もできる>

日本政策金融公庫の創業相談サービスでは、対面や電話、ビデオ通話などによる相談や情報提供を行っています。創業融資の相談や事業計画書の作り方については、各支店に設置された創業サポートデスクで、また、来店が難しい場合は、創業ホットラインを利用して創業や事業資金に関する相談をすることができます。

日本政策金融公庫への融資の申込みと必要書類

融資の申込み方法

日本政策金融公庫への融資の申込みは「直接支店へ申し込む」、「書類を郵送して申し込む」、「インターネットで申し込む(インターネット申込)」の3つの方法があります。

とくにインターネット申込みは、離れた場所からでもインターネット上で申し込みや書類の提出をすることができ、24時間365日申し込みをすることができます。

<インターネット申込の流れ>

①メールアドレスの登録

利用にあたっては、メールアドレスの登録が必要となります。登録したメールアドレスあてに、申込フォームのURLが送信されるので、このURLにアクセスし、申込み手続きを行います。

②申込情報の入力

申込フォームに必要な情報を入力(過去に取引がある場合は、「お取引いただいている支店」と「お取引番号」を入力」します。「お取引番号」がご不明な場合は、取引をしている支店に確認してください。

③書類の添付

申込みに必要な書類を添付します。(添付書類は、必要書類提出画面に案内があります)

また、書類が手元に揃っていない場合は、入力途中の情報を一時保存して、手続きを中断・再開することが可能です。

④申込みの完了

登録されたメールアドレスあてに、申込データの受付完了メールが送信されます。

また、後日、公庫職員より面談等についての案内がされます。

⑤面談

資金の使いみちや事業の状況(計画)などについて面談が行われます。また、審査のため、公庫の担当者が店舗や工場を訪問することがあります。

融資申し込みの必要書類

日本政策金融公庫へ融資の申込みをする際には、以下の書類が必要となります。

※ただし、これら以外の書類が必要となることもあります。

はじめて利用する方
・企業概要書
・運転免許証(両面)またはパスポート(顔写真のページおよび現住所等の記載のあるページ)
・法人の履歴事項全部証明書または登記簿謄本(法人営業の方)

個人営業の方
・最近2期分の申告決算書
法人営業の方
・最近2期分の確定申告書・決算書(勘定科目明細書を含む)
・最近の試算表(決算後6ヵ月以上経過している場合または事業を始めたばかりで決算を終えていない方)
生活衛生貸付を申込む方
上記の他、都道府県知事の「推せん書」(申込金額が500万円以下の場合は不要)または「振興事業に係る資金証明書」
その他・これから創業する方や創業直後で決算が済んでいない方については、創業計画書が必要
・設備資金の場合は見積書、担保を希望する場合は不動産の全部事項証明書が必要
・飲食店などの許可・届出等が必要な事業を営んでいる方については許認可証等の写しが必要

<その他>

〇企業概要

「企業概要」は、日本政策金融公庫にはじめて融資を申し込む企業が提出するものです。

企業概要書に記載する項目は、企業の基本的な情報の他、事業の経緯など創業計画書の内容とほぼ同じものとなりますが、収支計画部分が省略されています。しかし、創業融資の場合には、事業計画書を作成するため企業概要書の提出は不要となります。

〇創業計画書

新創業融資制度を利用する場合には、必ず創業計画書を提出する必要があります。創業計画書は公庫の専用フォーマットに従って作成しますが、記載の方法については業種別の複数の創業計画書記入例を参考にすることができます。

参考:公庫書式ダウンロード https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html

〇事業で使用している通帳

事業における資金の出入りを確認するため、事業で使用している通帳(複数ある時はそのすべて)の原本を提出します。なお、創業融資の申込みの場合には、自己資金が確認できるものである必要があります。

〇試算表

「試算表」とは、仕訳帳から元帳への転記が正しいか否かを検証するために,各勘定の貸借の合計額または貸借残高を記した表です。融資の際には、決算期から6ヶ月以上の期間を経過している場合に、現状の経営状況を確認する資料として提出を求められます。

顧問税理士に依頼すれば作成してもらえますが、会計ソフトを導入していれば自分でも作ることができます。

〇設備資金の見積書

設備を購入する場合には、該当する設備の見積書を提出します。見積書は一式などで書かれているものでなく、詳細な項目がわかるものを用意するようにします。また、見積書には有効期限があるため、この期限内のものを使用するようにしてください。

〇通帳や公共料金の支払いの領収書

融資の申し込みの時には、自己資金の出所や家賃、公共料金などの支払いが正常に行われているかをチェックするため、これらの資料を提出する必要があります。また、公共料金が自動引き落としとなっていない場合には、支払済みの控え等の提出も必要となります。

日本政策金融公庫の代表的な融資の種類

日本政策金融公庫では、以下のような融資を取り扱っています。

日本政策金融公庫の代表的な融資の種類

融資制度利用できる方融資限度額
一般貸付事業を営むほとんどの業種の方4,800万円
特定設備資金
7,200万円
セーフティネット貸付
(経営環境変化対応資金)
社会的、経済的環境の変化などの外的要因により、一時的に売上が減少するなど業況が悪化している方4,800万円
新規開業資金新たに事業を始める方又は事業開始後おおむね7年以内の方7,200万円
うち運転資金4,800万円
企業活力強化資金卸・小売業、食品関係の製造小売業、飲食サービス業、サービス業又は一定の要件を満たす不動産賃貸業を営む方で、店舗の新築・増改築や機械設備の導入を行う方など7,200万円
うち運転資金4,800万円
ソーシャルビジネス支援資金NPO法人や、保育・介護サービスを営む方、又は社会的課題の解決を目的とする事業を営む方別枠7,200万円
うち運転資金4,800万円
事業承継・集約・活性化支援資金事業承継等に際して、株式や事業用資産を取得する方など別枠7,200万円
うち運転資金4,800万円
資本性ローンスタートアップや新事業展開・海外展開・事業再生等に取り組む方で、技術・ノウハウに新規性がある等、一定の要件に該当する方別枠7,200万円
マル経融資商工会議所等の実施する経営指導を受けている方であって、商工会議所等の長の推薦を受けた方2,000万円
一般貸付(生活衛生貸付)生活衛生関係の事業を営む方7,200万円~4億8,000万円
新創業融資制度新たに事業を始める方又は事業開始後税務申告を2期終えていない方3,000万円
うち運転資金1,500万円
担保を不要とする融資税務申告を2期以上行っている方4,800万円

日本政策金融公庫以外の融資

横浜で事業をされている方は、日本政策金融公庫の融資以外に、制度融資を利用することができます。

〇制度融資とは

「制度融資」とは、都道府県や市町村などの自治体と国の機関である信用保証協会、市中の金融機関が一体となって中小企業や創業者が借入れをしやすくするための、いわばパッケージ型の融資制度です。

制度融資には都道府県制度融資と市区町村制度融資の2種類があり、横浜市に事務所のある中小企業の方は、「横浜市制度融資」と「神奈川県制度融資」の両方の制度を利用することができます。ただし、いずれも信用保証協会の保証付融資であるため、市と県の制度融資に同時に申し込むことはできず、どちらか一方のみの利用となります。(同時の申込みでなければ、それぞれを利用することは可能です)

なお、日本政策金融公庫と制度融資は別々の金融機関が行うものであるため、公庫の融資と制度融資を同時に利用することができます。

横浜の方が利用できる制度融資には、次のようなものがあります。

<小規模資金繰り安定サポート資金-横浜市制度融資>

利用対象者
次の全ての要件を満たす小規模企業者の方
・1期以上の決算(確定申告)を行っている方
・既存の借入について条件変更等による返済緩和を行っていない方
・<法人>直近決算で債務超過でなく、経常利益を計上している方
 <個人事業主>直近確定申告における申告所得額が200万円以上の方
資金使途
運転資金
融資額
2,000万円以内(ただし、直近決算における平均月商の2倍以内)
利率(年率)取扱金融機関の所定利率
融資期間
運転資金1年以内(一括返済)
保証料率
0.35~1.80%

<小規模資金繰り安定サポート資金-横浜市制度融資>

利用対象者
次のいずれかに該当する方
1.これから創業する方(現在事業を営んでいない方に限る)で、1か月以内に市内で個人事業を開始する方、又は2か月以内に市内で会社を設立し事業を開始する方
※特定創業支援等事業による支援を受けた旨の証明を受けた方は6か月以内となります。
2.既に創業されている方で、次のいずれかに該当する方(当該事業の開始時に他の事業を営んでいない方に限る)
(1)個人事業を開始し5年未満の方、又は会社を設立し5年未満の方
(2)個人事業を開始したのち、新たに会社を設立した方が、事業の譲渡により事業の全部又は一部を当該会社に承継させる場合であって、個人事業を開始して5年未満の方
3.事業を継続している会社により新たに設立(分社化)された会社で、設立の日から5年未満の方(事業を継続しつつ、新たに市内で会社を設立(分社化)する方を含む)
資金使途運転資金及び設備資金
融資額
3,500万円以内
利率(年率)
固定金利:1.9%以内
ただし、一定のいずれかに該当する場合は利率1.5%以内
融資期間
運転資金10年以内 設備資金10年以内(据置12か月以内を含む)
保証料率
0.4%

<伴走支援型特別融資-神奈川県制度融資>

利用対象者
次のいずれかの認定を受け、かつ経営行動に係る計画を策定した中小企業者及び協同組合等
ア 新型コロナウイルス感染症に係るセーフティネット保証4号の認定
イ セーフティネット保証5号の認定を受け、かつ以下のいずれかの要件を満たした方
・売上高等減少率が15%以上
・売上高等減少率が15%未満の方は、最近1か月間に対応する前年同月の売上高が令和2年1月29日時点における直近の決算の月平均売上高等と比較して15%以上減少している
ウ 一般保証(以下のいずれかの要件を満たした方)
・最近1か月間の売上高が前年同月の売上高と比較して15%以上減少している
・最近1か月間の売上高が前年同月の売上高と比較して5%以上減少し、かつ前年同月の売上高が令和2年1月29日時点における直近の決算の月平均売上高等と比較して15%以上減少している
資金使途運転資金・設備資金
融資額
1億円(一部別枠)
利率(年率)
年1.8%以内(固定金利)
融資期間
10年以内
保証料率
0.2%(セーフティネット保証4号及び5号を利用する場合)→負担ゼロ
0.2%から0.8%(一般保証を利用する場合)

まとめ

横浜は、全国でも最大級の都市であり、多くの企業が存在しているため、企業の資金需要も大きな規模となっています。そのような中で、創業者や中小企業の方が最も利用しやすい資金調達の方法のひとつが日本政策金融公庫の融資です。

日本政策金融公庫では、創業者や中小企業向けに数多くの融資を扱っており、そのほとんどが無担保無保証で利用できるため、少ない負担で利用することができます。

また、日本政策金融公庫とは別に、都道府県や市区町村が行っている制度融資も利用できるので、状況にあわせてご利用ください。