不動産経営をされている方、これから始めようとお考えの方にとって、「税金」は気になる問題のひとつではないでしょうか。
特に横浜エリアは、みなとみらいや関内といった商業地区から閑静な住宅地まで、多様な特性を持つエリアが混在しており、物件の用途や将来性に応じた税務対策が重要になってきます。
この記事では、不動産経営における税務のポイントを、初心者の方にも分かりやすく解説していますので、安心して読み進めてみてください。
アパートやマンション、駐車場などの賃貸から得られる収入を「不動産所得」と呼びます。家賃収入だけでなく、次のような収入も忘れずに申告する必要があります。
【不動産所得として申告が必要な収入】
とはいえ、これらの収入がすべて課税対象というわけではありません。
実際の課税対象となるのは、収入から必要な経費を引いた金額です。
つまり、経費をきちんと把握して適切に申告することが、賢い税務管理の第一歩といえるでしょう。
確定申告は、その年の1月1日から12月31日までの収入と経費をまとめ、翌年の3月15日までに行う必要がありますので念頭に置いておいてください。
その際におすすめしたいのが「青色申告」の活用です。
最大65万円の特別控除が受けられるうえ、経費の計上方法も柔軟になります。
事業を開始したら早めに、遅くとも2ヶ月以内には青色申告の届出を出しておくようにしましょう。
不動産所得の経費には、建物の維持管理に関わる様々な費用が含まれます。
日々の管理費から修繕費、借入金の利息まで、経費として認められる範囲を知っておくことで、適切な税務管理が可能になります。
不動産オーナーの場合、経営している建物の修繕や管理にかかる費用は、原則としてすべて経費になります。
エレベーターの保守点検や共用部分の清掃費用、不動産会社への管理委託手数料なども、経費として計上できます。
また忘れがちですが、借入金の利息なども重要な経費項目です。
不動産の取得にあたってローンを組んでいる場合、その利息分は全額が経費として認められますので、こういった細かいポイントはおさえておきたいですね。
建物の修理や改修を行う際は、「修繕費」と「資本的支出」の区分けが重要となります。
この区分けによって、支出した費用をいつ経費として計上できるかが大きく変わってくるんです。
例えば、建物に対して100万円の工事を行った場合、修繕費であれば、基本的にはその年のうちに100万円全額を経費として計上できます。
一方で、資本的支出の場合は、建物の耐用年数に合わせて少しずつ経費化することになります。
鉄筋コンクリート造のマンションであれば47年での計上となるため、1年あたりの経費計上額は約2万円程度になってしまうといった具合です。
キャッシュフローや今後の経営方針にも大きく影響する可能性が高いため、事前にしっかりと把握しておきたいポイントです。
【修繕費として認められる工事】
こういった現状維持のための工事は、基本的にその年の経費として計上が可能です。
一方で、建物の価値を高める以下のような工事は「資本的支出」として扱われます。
【資本的支出となる工事】
ただし、この区分けは必ずしも明確ではありません。
例えば、エアコンの取り替えでも、同程度の性能のものへの取り替えなのか、より高性能なものへの更新なのかによって判断が分かれることがあります。
そのため、大規模な工事を検討する際は、事前に税理士など専門家に相談することをお勧めします。
減価償却とは、建物の経年劣化による価値の減少を、費用として計上する仕組みのことです。
建物の構造や用途によって法律で「耐用年数」が定められており、この期間で計画的に経費化していくことになります。
【主な建物の耐用年数】
不動産投資を始める際は、取得時から売却時までの各段階で、適切な税務対策が必要になります。
特に初期投資の段階での判断や手続きが、その後の収支に大きな影響を与えることもよくあります。
不動産の取得時には、様々な税金や諸費用が発生します。
これらの費用は、将来の税金計算にも影響を与えるため、正しい把握と処理が重要です。
物件の購入価格以外にも、不動産取得税や登録免許税、仲介手数料などが必要になりますが、これらの費用は、物件の取得価額に含めて考えることができます。
もし、将来物件を売却することになった場合などに、取得費として控除できる金額が増えることになるわけですので覚えておきたいポイントでしょう。
また、消費税の扱いにも注意が必要です。
新築物件の場合は消費税がかかりますが、中古物件の場合は基本的に非課税となります。
ただし、築年数が浅い物件の場合、建物部分に残っている消費税分の還付を受けられる可能性などがあるため、一度専門家へ相談してみることで、資金的な余裕が生まれるかもしれません。
不動産経営を始める際は、いくつかの重要な実務手続きが必要です。
特に初期段階での適切な対応が、その後の円滑な経営につながります。
まず、確実な記帳体制を整えることが何よりも大切です。
家賃収入や経費を正確に記録し、領収書などの証憑書類は必ず保管しておきましょう。
会計ソフトの導入も検討する価値があります。
特に物件数が多い場合など、入金管理や経費の仕分けの手間が非常に軽減されますので、確定申告の準備も効率的に行えるはずです。
また、賃貸借契約書や重要事項説明書といった法的書類の管理体制も整えておく必要があります。
こういった書類は、税務調査の際の証拠書類としても重要ですので、紛失や汚損することのないようしっかりと管理したいですね。
他にも、火災保険や借家人賠償保険など、必要な保険への加入や、入居者からの家賃の受け取り方法など、事前に検討が必要な項目はいくつか挙げられます。
こうした実務や管理が難しい場合は、管理会社などに丸投げしてしまうのも一つの方法ですが、費用と収益のバランスを考えて検討することが大切です。
不動産を売却する際は、譲渡所得として課税されます。
ただし、5年を超えて所有していた場合は長期譲渡所得として、税率が優遇されるなど、所有期間によって税率が異なる点は覚えておきましょう。
また、居住用財産を売却する場合は、3,000万円の特別控除や、買い換え特例といった制度を利用できる場合があります。
こういった特例を活用することで、税負担を大きく軽減できる可能性がありますので、重要な手続きの際には、税理士に相談するのが無難でしょう。
不動産オーナーの多くが直面する課題の一つとして、次世代への資産継承が挙げられます。
特に横浜のような都市部では地価も高く、相続税の負担も大きくなりがちです。
しかし、事前に計画的な対策を行っておくことで、この負担を大幅に軽減することも可能です。
不動産の相続税評価額は、土地と建物それぞれについて計算します。
土地は「路線価」、建物は「固定資産税評価額」と呼ばれる評価基準が、国税庁により定められており、それに従って価値が決まります。
横浜の場合、みなとみらいや関内、元町・中華街といった商業地域と、住宅地では路線価に大きな差があるんです。
同じ地域でも、駅からの距離や道路の幅員によっても評価額は変動しますので、注意が必要です。
また、賃貸不動産の場合は、さらに「借家権割合」という考え方が適用されます。
これは、入居者がいることで評価額が一定割合下がる仕組みのことで、一般的なアパートやマンションであれば、評価額の20%程度が減額されることになりますので、頭の片隅に置いておきましょう。
相続税対策として効果的なのが、生前贈与の活用です。
毎年110万円までの贈与であれば、贈与税はかかりません。
例えば、子どもが2人いる場合、夫婦でそれぞれに110万円ずつ贈与すると、年間440万円まで非課税で資産を移転できることになります。
こうした制度を使って計画的に資産を移転することで、将来の相続税の負担を軽減することが可能です。
ただし、贈与を受けた側の収入状況や、将来の資産活用計画なども考慮する必要があるため、不安な方は専門の税理士にご相談ください。
60歳以上の方が、20歳以上の子どもや孫に財産を贈与する場合、「相続時精算課税制度」という制度を選択することができます。
この制度では、2,500万円までの贈与を非課税として、それを超える部分には一律20%の税率が適用されことになります。
普通に相続するよりもかなり優遇される内容となっているため、上手に活用したいですね。
横浜は、商業地域から住宅地まで多様な特性を持つエリアで構成されています。
それぞれの地域特性を理解し、活用できる制度を把握することで、より効果的な不動産経営が可能になります。
横浜の不動産市場は、大きく分けて三つの特徴的なエリアがあります。
みなとみらい・関内エリア
オフィスや商業施設が集中する横浜の中心業務地区で、賃料水準は高めですが、安定した需要が見込めます。
特に近年は、企業の本社移転なども増加しており、オフィス需要が伸びている点も注目したいですね。
横浜駅周辺
商業施設と住宅が混在するエリアで、交通利便性の高さから、単身者向けの賃貸住宅の需要が高めのエリアです。
特に駅から徒歩10分圏内の物件は、高い入居率を維持しやすい傾向にありますので、安定した経営が見込めます。
郊外の住宅地
横浜郊外エリアでは、ファミリー向け賃貸住宅の需要が中心となります。
学区や買い物の利便性が重視され、特に東急線沿線や京急線沿線では、都心へのアクセスの良さから安定した需要があると言えるでしょう。
横浜市では、不動産オーナー向けの様々な支援制度や取り組みが実施されています。
上手に制度を活用することで、物件の価値向上と経費の削減が可能です。
例えば、耐震改修に関する補助金は、昭和56年以前に建築された建物が対象となっています。
診断費用の大部分が補助される他、改修工事費用も一部補助を受けられますので、安全性の向上と資産価値の維持を図れます。
また横浜市では不定期的に、省エネ促進キャンペーンとして「エコハマ」と呼ばれる施策を実施しています。
対象店舗で省エネ家電を購入すると還元が受けられる制度で、賃貸物件の設備更新の際など活用できます。
他にも、国や神奈川県でも様々な補助金制度を設けています。
こうした制度は年度によって内容が変わりますので、実際の活用にあたっては最新の情報を確認したり、地域の情報に精通した専門家に相談することをお勧めします。
不動産経営の税務対策は、決して一人で抱え込まず、適切なタイミングで専門家に相談することをお勧めします。
【相談を検討すべきタイミング】
横浜駅直結の「響き税理士法人」では、経験豊富な税理士が不動産オーナーの皆さまの資産運用をサポートしています。
初回相談は無料ですので、お気軽にご連絡ください。
不動産経営に限った話ではありませんが、事業を営む上で税務への対策は欠かせません。
備えもなく勢いのままに進めることも可能なものの、専門的な知識があれば、優遇措置やトラブルへの備えなど、結果的に資金的な余裕が生まれるケースもあります。
また、経営者が一人で解決するには負担が大きすぎる課題も多く存在します。
そんな中で頼りになるのが、業界の税務に精通し、地域に根差したサービスを提供する税理士の存在です。
「響き税理士法人」は、横浜を拠点に地域密着型のサービスを展開しています。
「響き税理士法人」には、業種ごとの専門知識を持つスタッフが在籍し、各分野に精通したチームが一丸となってサポートに当たります。
税務だけでなく、経営支援に強いスタッフも揃っており、事業主の様々なニーズに対応するための柔軟なサポート体制が整っています。
「響き税理士法人」のスタッフは、長年にわたる豊富な実務経験をもとに、税務と経営の両面からお客様の事業をサポートします。
会計管理や税務申告のアドバイスだけでなく、経営の成長を促すためのアドバイスも行い、事業の成功を全面的な支援が可能です。
経営の悩みや税務に関するご相談があれば、ぜひ「響き税理士法人」までお問い合わせください。